藤沢市議会6月定例会の一般質問に6月24日登壇し、藤沢市にパートナーシップ宣誓制度(以下、パートナー制度という)の充実とともに、同性パートナーの住民票に事実婚記載を可能とするよう求めました。
同性同士の婚姻が法的に認められていない日本で、自治体が独自に性的マイノリティのカップルに対して「結婚に相当する関係」とする証明書を発行し、様々なサービスや社会的配慮を受けやすくする制度として始まったパートナー制度を導入しているのは460自治体、人口カバー率は約85%にのぼります(公益財団法人Marriage For All Japan調べ)。市人権男女共同平和国際課によると、藤沢市のパートナー制度の宣誓数は59組となっています(24年5月30日時点)。藤沢市のパートナー制度の宣誓方法は市職員の対面方式を基本に行われていますが、一般質問に対する答弁で企画政策部長は手続きの負担軽減などを目的に電子申請を年度内に導入する方針を明らかにしました。また今年4月に同性パートナーをもつ市職員も扶養手当の対象とする人事制度の拡充を図ったことについて「LGBTQなどマイノリティの権利を保障する共生社会の実現や、誰もが互いを尊重しそれぞれの生き方や考え方を認め合う多様性を尊重する観点からも意義のある制度」と述べ、「先進企業の取組事例の紹介を含めたパートナーシップ宣誓制度のパンフレットを今年度中に作成し、市内企業等への啓発を進める」との姿勢を示しました。
藤沢市のパートナー制度は事実婚の異性カップルも対象としています。現在、事実婚を選択した異性カップルの住民票の続柄記載は、申出により「夫(未届)「妻(未届)」の記載を行っていますが、同性カップルの場合、パートナーの住民票の続柄の記載は「同居人」とされ、お互いの関係性を示す手段が限られています。こうしたもとで、長崎県大村市や栃木県鹿沼市、栃木市、横須賀市などでは同性カップルが希望すれば住民票の続柄欄に事実婚表記を可能とする対応をとっています。一般質問では藤沢市でもパートナー制度の趣旨にもとづいて、当事者が希望すれば同性カップルの住民票への事実婚記載を可能とするよう求めました。市民自治部長は答弁で「(大村市などの対応について)国からの見解が明確に示されていない。今後は国県や近隣自治体の動向を注視し市民に寄り添った対応に努めていく」と述べるにとどまりました。
同性カップルの住民票の事実婚記載を行う一連の自治体の動きについて国は「実務上の問題がある」としていますが、問われているのは国の姿勢であり、同性婚の法制化こそ求められています。人権尊重のふじさわのまちづくりが進むことで国の姿勢も変わると信じています。引き続き、みなさんの声を市政に届けていきます。