藤沢市に図書館行政の充実を求めました
昨年12月藤沢市議会定例会の一般質問に12月21日登壇し、南市民図書館の管理運営は現行体制を維持すること、図書館で働く非正規職員の正規化、公共図書館の役割を果たすために資料購入費の十分な確保などを求めました。
南市民図書館の民間委託は見直しを
いま藤沢市では南市民図書館の再整備事計画の検討が進められています。南市民図書館の管理運営は現在、専門性のあるNPO法人に業務委託を行っていますが、整備後の管理運営が藤沢市による直営から民間事業者に委ねられようとしています。
民間企業が公立図書館の管理運営を担った事例として、いわゆる“ツタヤ図書館”では中古本の購入など不適切な選書が行われたり、職員の雇用環境が悪化したりと様々な問題が明らかになっています。質問ではこうした問題を指摘し、少なくとも今の体制を維持するべきと求めました。市生涯学習部長は「民間活力の導入を視野に入れ、そのノウハウを活用する」と答弁しました。
非正規職員の正規化を進め、安心して働き続けられる図書館に
図書館業務は、将来を見据えた資料のコレクションの形成や専門性の蓄積など、専門性、継続性が求められることから図書館で働く職員の安定的な雇用と処遇改善が必要です。
日本図書館協会の調査によれば、国内全ての公立図書館の職員の76%は、雇用期間等の限定された非正規職員です。藤沢市の総合市民図書館、11市民図書室、点字図書館で働く職員総数は157人、そのうち会計年度任用職員は133人を占めます。会計年度任用職員の平均年収は約211万円で、非正規で働く職員が図書館の根幹の業務を支えている現状をしっかり直視しなければなりません。
総務省のマニュアルにもある通り、図書館業務は「相当の期間任用される職員を就けるべき業務」であり本来であれば常勤職員を基本にすることが求められます。こうした点を指摘し、「司書資格をもつ常勤職員の増員、会計年度任用職員の正規化を進め、安定的・継続的に業務に専念できるようにするべき」と求めました。市生涯学習部長は「市民サービスの安定が図られるよう引き続き、業務に専念できる環境づくりに努めていく」と答弁しました。
資料購入費を増額し、住民の学びに応える資料の充実を
図書館の大きな役割の一つが豊かで充実した資料を収集することです。住民の学習権に応えることができる資料購入費が確保されていることが重要だということですが、日本図書館協会の調査では図書資料等購入費について、予算額で1999年度に1館当たり1,354万円だったものが、2022年度には840万円で、62%の規模にまで減少し、「住民が必要とする資料の確保ができない」窮状を訴えているとしています。
令和5年度版藤沢市図書館概要をみると、図書資料購入費は2018年度約6,017万円だったものが減少続け、2022年度には少し持ち直したものの、5,397万円と600万円あまりの減額となっています。
藤沢市の図書館に豊富な資料が備えられて住民の学びの要求や関心に応えられるようにするためにも十分な資料購入費の確保を求めました。市生涯学習部長は「文化振興基金や雑誌スポンサー制度等を活用するとともに、新たな財源の確保なども積極的に行う中で資料購入費の確保に努めていく」と答弁しました。
藤沢市の図書館はいま大きな転換点を迎えています。引き続き、みなさんの声を市政に届けていきます。