藤沢市議会9月定例会の一般質問に9月22日登壇し、有機フッ素化合物(PFASピーファス)汚染防止対策を藤沢市に求めました。永遠の化学物質と言われるPFASによる高濃度の汚染が、米軍基地や自衛隊基地、半導体製造使用工場、産業廃棄物処理場の周辺の地下水、河川・湧水や土壌、飲用水から確認され、健康への影響が全国各地で大きな問題となっています。
PFASは1万種類以上の合成化学物質の総称であり、これまでも撥水・撥油剤、界面活性剤、半導体用反射防止剤等の幅広い用途で使用されてきました。また、PFASのうち、PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の人体への影響については、発がん性のほか肝臓、脂質代謝、生殖、免疫等への影響が指摘されています。PFASが体内に吸収された量の半分が排泄される時間である生物学的半減期は、PFOSで5年、PFOAで3年、 PFHxS(ピーエフヘキサエス)で6年と長く、一旦取り込まれたPFASは容易に体内に蓄積していきます。体内に取り込まれたPFOSは95%排出されるまでに40年を要するとされています。
EUでは1万種類以上あると言われるPFASを包括的に規制する動きがでています。一方、日本国内の規制は、PFASのうち、ストックホルム条約(POPS条約)で製造・使用が禁止されているPFOS、PFOA、PFHxSの3種類のみで対応の遅れが際立っています。
藤沢市では2015年度から引地川におけるPFAS等の水質調査を行っていますが、24年度における引地川の調査結果では、1リットルあたり50ナノグラムの指針値に対し、富士見橋で1リットルあたり100ナノグラムが検出され、測定を開始した15年度以降、継続して指針値を超過する事態が続いています。
2022年9月に米軍厚木基地内でPFASを含む泡消火剤が引地川の上流にあたる蓼川(たでがわ)に流出する事故が発生し、在日米軍基地の存在が汚染源のひとつと指摘されています。この問題で県・国・米軍が実施した、基調査結果ではPFOS、PFOAの合計が1リットル当たり最高で910ナノグラム、環境省の定める暫定目標値(50ナノグラム)の18倍以上でした。
一般質問では米軍基地由来のPFAS流失事故が発生した際には基地への立ち入り調査や必要な情報公開を求めていくこと、市が行う調査で汚染源の特定に向けて観測地点を増やすこと、住民への健康影響調査の実施を求めました。引き続き、みなさんの声を市政に届けていきます。